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更新: 2001/12/30


 

キーワードの組み合わせ 単一語、複数語、フレーズ

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 実際に皆さんがウェブサイトを検索エンジンの上位に表示させる際、どのような基準で検索語を選ぶでしょうか?選ぶキーワードは単一語(単語)ですか?複数語ですか?それともフレーズでしょうか?

 現在検索サイトを利用するユーザーの約5割は検索を行う際に複数語で検索をする、つまり入力窓に2つ以上の単語を入れて検索を利用しています。これは、複数の単語により自分が探している情報の範囲を限定することにより、検索結果により自分の探している情報が出てきやすくするために複数語を入力している現れです。つまり、ユーザーは単一語では自分が探している情報が検索結果の画面に出てこないことを学習しつつある証拠といえます。実際に同時期に行われている米国の調査では約6割のユーザーが複数語により検索を行っています。日本の数年後のインターネットユーザーもおそらく米国のように複数語で検索を行う人が増えてくることが予想されます。

 さて、このような調査結果を基に考えると、より質の高いターゲットユーザー(購買の見込みが高い顧客)のトラフィック誘導のためには、複数語でウェブサイトを上位に表示させることのほうが効果的といえます。たとえば中古車販売をウェブ上で営んでいる経営者が、もっと「中古車を探し求めているユーザーの」トラフィックを集めたいと思えば、上位表示させるための検索語を「車」や「中古車」といった単一検索語よりも、「中古車販売」や「中古車 売買」「車 買い取り 会社」といったような複数語またはフレーズで上位表示させた方がトラフィックの質を高められるわけです。

 なぜ「車」や「中古車」といった単一語で上位表示を行わない方がよいのか。まず第一に、中古車をほしい人であれば検索語として「車」という言葉を使わないからです。皆さんが実際に中古車の情報をネットで探そうとしたときに「車」という言葉だけで検索しようと思いますか?おそらく思わないでしょう。

 では「中古車」はどうでしょうか?中古車という言葉を含めて検索を行う人は多くいますが、「中古車」1単語で検索を行う人はあまり多くありませんし、また中古車1単語で検索をしている人がターゲットユーザーなのかどうか怪しいという理由で適切な検索語とはいえないのです。つまり、実際に「中古車の購入を検討しているユーザー」であれば、「中古車」という言葉に加えて「買い取り」「売買」「業者」「リスト」「査定」といった、中古車販売サイトに限定するような言葉と一緒に検索を行う可能性が大きいのです。また「中古車」というキーワードだけで検索をする人は、中には中古車販売サイトを探しているユーザーもいるかもしれませんがそれ以外のユーザーも多く含んでいることでしょう。中古車という言葉はターゲットユーザーを絞りこんでいないため、関係のないユーザーのトラフィックも誘導してしまいます。「別に関係のないユーザーが含まれていても、関係のあるユーザーも含まれているからいいではないか」と考える方がいらっしゃるかもしれませんが、基本的に単一語で上位表示を行うには長時間が必要なこと、長期にわたって高ランキングを維持することが困難なことから、コストパフォーマンス的に優れた言葉ではないのです。

 重要なのは、「自分のウェブサイトに適したキーワードは何か」ではなくて、「自分のウェブサイトを探しているユーザーは実際にどういうキーワードを使っているか」です。ウェブサイト管理者自身が適切だと考えるキーワードで上位表示を行うのではなくて、あなたのウェブサイトを探そうとしているユーザーが実際に使う言葉の組み合わせで上位表示を行わないと、ターゲットユーザーに焦点を合わせたアクセスアップを行うことができないのです。

 もう1つ具体例を挙げて説明してみましょう。東京ディズニーシー近くのホテルがウェブサイトを開設しました。ウェブサイトを通じてホテルの予約ができるとします。もっと多くの利用者を獲得するためにサーチエンジンポジショニングを利用したトラフィック誘導戦略の計画を立てることになりました。さて、どういった言葉が適切でしょうか。

 私は今までにいろいろな業種の方とポジショニングに関する打ち合わせやコンサルティングを行ってきましたが、上記のようなケースであればたいていの方が「ホテル」というキーワードを選ぼうとします。しかし、それは違います。東京ディズニーシー近くのホテルを探そうとしているユーザーは「ホテル」で探そうとはしません。ホテルという検索語では、沖縄や北海道、大阪のホテルも検索されてしまうからです。

 このホテルを探し求めているユーザーは実は「ディズニーシー近くのホテル」あるいは「東京ディズニーシー近くのホテル」「東京ディズニーランド近くのホテル」といったようなフレーズを利用していることがアクセスログ解析の結果わかっています。このフレーズで検索されたときに上位に表示させるホテルがもっとも「予約してくれる確率の高いユーザー」のアクセスを集めることに成功しているのです。

 自分のサイトの商品やサービスをもう一度見直して、ユーザーがそれらのものを求めようと検索エンジンを利用する際にどういった検索語を使いそうなのか、もう1度よく考え直してみましょう。

 なお、「単一語では意味がない」と述べましたが、ケースによってはどう考えても1単語でしか検索しないと思われるものもあります。あるいは実際に1単語で検索する人が多いサイトも存在します。ただ、単一語による上位表示は、サーチエンジンポジショニングを専門とする業者にとっても難しいものなのです。これは検索エンジンのアルゴリズム theme-word に依存する問題で、ある特定のテーマやトピックにフォーカスできない言葉においてウェブサイトのポジショニングを上位に挙げるということは難しいのです。こういった場合は検索サイトのキーワードサーチ(キーワードバナー)などを利用して検索語を買い取ってしまった方が効率的です。

 

(イー・プロモート 代表 渡辺隆広)

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イー・プロモート サーチエンジンポジショニングを専門とする会社。1997年10月より検索結果上位表示サービスを提供。今までに数々のメディアで紹介されている。米国およびEU諸国のサーチエンジンポジショニング会社と共にグローバルレベルでサービスを提供中。

  
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