日本で検索エンジン、または検索サイトというと多くの方が Yahoo! Japan や Google ,infoseek、goo
といった名前を思い浮かべると思います。確かにこれらは同じ「検索エンジン」または「サーチエンジン」といった言葉で表すことができるのですが、検索エンジンマーケティングを行う上では、検索エンジンの特性を区別して頭にいれておかないとうまく実行できません。
サーチエンジンを利用してウェブサイトのプロモーションを行うのであれば、まずこの検索サイトについて正しい知識をつけておきましょう。
検索エンジンは、大きく分けると次の2つに分類することができます。
1)ディレクトリ型
2)サーチエンジン
3)ハイブリッド型検索サイト
それぞれの特長をあげていきます。
1)ディレクトリ型
ディレクトリ型というのは、ウェブサイトのジャンルによって分類をし、それを階層化してデータを整理しているウェブサイトです。Yahoo! Japan
や iNETG、Lycos のディレクトリ、looksmart がこのディレクトリ型の検索サイトに該当します。
これらはディレクトリ/ジャンルによってウェブサイトを分類して集めていますので厳密にはサーチエンジンではなくディレクトリ型サイトになります。
ディレクトリ型サイトはたいてい人間の手によって編集、構築されています(※ goo はロボットによりカテゴリ分類しています)。カテゴリに登録されているウェブページの説明も人間によって編集、客観的に簡潔な紹介文が表示されます。タイトルも法人名、または正式なウェブページ名を表示させます。ウェブサイトの表示順位はあいうえおの50音順であり、表示順位を変更することは基本的にできません。Open
Directory Project のように人の手によって順位が決定される場合もあります。
検索サービス利用者からみれば、ディレクトリ型サイトは登録されているウェブサイトはある一定の品質をもったウェブサイトが多くなります。また、ジャンルによって厳密に区別されていますので、あらかじめ自分が探しているウェブサイトのジャンルがわかっていればそのディレクトリをみることで、ほかの同系列のウェブサイトの情報を手に入れることができます。
一方、人の手によって編集されているため、登録されているウェブサイトの絶対量は後述するサーチエンジンと比較すると劣ります。また、登録されるウェブサイトはあくまでそのサイトのトップページのみのため、複数の異なるジャンルを扱うウェブサイトの場合は紹介文の中にそれを含むことができません。そのため、実際に検索サイト利用者が探している情報を含んでいるウェブサイトであっても、その利用者に見つけてもらうのが困難になってしまう場合があります。
2)サーチエンジン
サーチエンジンというのは、ロボットと呼ばれるウェブサイト自動巡回プログラムがウェブを巡回して各ウェブページをデータベースに取り込み
index 化します。検索サイト利用者が入力したキーワードによって、それに合致するウェブページを表示するサイトです。infoseek、Google、Teoma、goo、Lycos、Excite
といったサイトがこれに該当します。
サーチエンジンのデータベースはスパイダー(spider)と呼ばれる自動巡回ロボットによって収集されます。そしてこれにより何億という膨大な量のウェブサイトをわずかな時間で検索することができます。
検索結果として表示される紹介文やタイトルは、集めたウェブページの文字を利用して自動的に生成されます。ウェブページの収集から紹介文やタイトルの編集にいたるまで、人間が一切介在しないのが特長です。各ウェブページはサーチエンジンのロボットが独自にもつアルゴリズムによって点数化されます。あるキーワードで検索された際には、その点数に応じて重要度が高い順に上から表示していきます。アルゴリズムはサーチエンジンによって異なります。たとえば
Google や infoseek は被リンク数の数(link popularityといいます)も重要度に加点します。
検索サービス利用者の視点から述べると、ディレクトリ型と異なりサーチエンジンはウェブページ単位で検索が可能ですので、検索サイト利用者は自分が探している情報を含むウェブページに直接飛ぶことができるため、比較的楽に目的の情報を見つけだすことができます。
しかし、ウェブページ単位で検索するが故に、検索する際に適切なキーワードを入力しないと膨大な量の検索結果が表示されてしまい、目的の情報にたどり着くのに時間がかかる場合もあります。
3)ハイブリッド型検索サイト
ハイブリッド型検索サイトは、ディレクトリ型サイトとサーチエンジンの欠点を補うために、ディレクトリ型サイトの特性とサーチエンジンの特性を併せ持った検索サイトです。ディレクトリ型サイトの利点である、人間の目による厳選された質の高いウェブサイトの収録と、サーチエンジンの持つ膨大な量のデータベースと検索機能を統合することにより、より質の高い検索サービスを利用者に提供できるわけです。
たとえば Yahoo! Japan は自社でもつディレクトリ型サイトに、Google のもつサーチエンジンの機能を統合することにより、利用者に便利なサービスを提供しています。goo
は2001年8月1日より従来のサーチエンジンにディレクトリ型サイトの機能を統合しています。
Yahoo! Japan で検索を行うと、まず最初に Yahoo! Japan のデータベースを参照します。もし Yahoo! Japan のデータベースに該当するウェブサイト情報があればそれを表示します。もし合致するものがない場合は
Google のデータベースに引き継がれ、検索結果として Google にて該当したものを表示させます。
Yahoo! Japan にも Google にも合致するデータが存在した場合は Yahoo! Japan の検索結果を優先表示しますが、Google
の検索結果を見ることも可能になっています。
Lycos や infoseek も自社でディレクトリを管理しておりサービスの質の向上を目指しています。また、Excite
は BTlooksmart 社と提携して looksmart のディレクトリを提供しています。
今後は多くの検索サイトがディレクトリとサーチエンジンの両方の機能を提供する、ハイブリッド型検索サイトを構築する方向で向かっていくでしょう。
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