Webサイト評価


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評価時期: 2001/05/18


 
Webサイト評価

タイトル:横浜麦酒電脳支店
URL:http://www.yokohama-beer.com/
紹介文:日本のビール発祥の地、横浜。その古きよき伝統をつぐビール。また、ベリー&ハニーエールなど、工場長が頭をひねりそして自信を持って送り出したビール。それらをオンラインで販売致しております
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■ このウェブサイトでは、実際に商品の購入をしてみました。商品購入手続きからお支払い、そして商品が家に届くまでのサービスに関しても評価をしていきます。

■ ECサイトを構築する上で、最も基本的で重要なことは、

ウェブサイトへのアクセス => 商品閲覧 => 商品購入 =>申込み手続き=> お支払い 

 訪問者がこれらの商品購入までのプロセスをスムースに進めることができる環境を提供すること。これがeコマースにおいてとても大切なことです。このプロセスをスムーズに進められる環境を構築していないECサイトはせっかくの潜在顧客を逃してしまうことになります。

 この観点からいうと、この【横浜麦酒電脳支店】では、商品購入までのプロセスに問題があります。

■ 「ショッピングカート」の「かご」

 まず1つ目。商品の購入の仕方です。このウェブサイトでは、今では一定規模以上のECサイトでは大抵利用されているショッピングカートシステムを利用しています。しかし、このウェブサイトのショッピングカートは大変使いにくいのです。

 ウェブで主流のショッピングカートは、アクセスしたウェブサイトでほしい商品があったら”購入”ボタンを押せばそのままショッピングカートに入ります。それで精算をしたければお支払いのページに行って申込みを行えば手続きは完了します。インターネットショッピングを利用したことのある方なら最も一般的な手続きと思うことでしょう。

 しかし、このウェブサイトでは、ショッピングカートを利用する前に1つとても重要なプロセスが訪問者に科せられています。それは「かごを手にとること」。ショッピングカートを利用するためには、まずウェブに設置されている「かごをとる」=「【かごをとる】というボタンをクリックしてかごをとらなければ いけない」のです。これはまずわからない。最初にこのウェブで商品を決めて これを買おう!と思ったときに、各商品の横に「買っちゃう!」というボタンがあるので、『これを押せばいいのね』と思っておしたら「かごをとってくれ」というエラーメッセージがでて、『なんだこりゃ!?』と。何度もやっているうちに『どうやらこのボタンを押す前に他のことをしなくてはならないらしい』と1つ前のページに戻ってよ〜〜く説明書きを読んでみると「かごをとってくれ」という文が。これを押してから「買っちゃう!」ボタンを押したらショッピングカートの中に商品を入れることができました。

 さて、このショッピングカートのシステムですが、ウェブで主流のタイプ、つまり、商品購入前にかごをとるというプロセスの必要ないシステムにすることを強くお薦めします。おそらくいままでにアクセスしてきた人の中の多くが、私と同じような経験をしたのではないでしょうか。今回私は『絶対にこのウェブサイトの商品を購入しないといけない(購入しないと評価レポートが書けないから)』という理由で時間をかけて理解したのですが、別にこのウェブサイトで買わなくてはいけない理由のない人達はきっと、『とりあえずショッピングカート使わないからや〜めた』と思ってこのウェブサイトを去っていってしまうことでしょう。

 ウェブサイトで提供するインターフェースはウェブ上で標準的なもの、一般的なものにあわせるべきです。WWWを利用している人達は、どのウェブサイトでも今までに自分の経験や知識で身につけたルールによって利用できることを望みます。今までの経験で得られたルールがそのまま適用させることができればこれほど快適に利用できることはないのです。わざわざある1つのウェブサイトのために新しいルールを覚えてやろうなどという、親切な利用者はいない、ということをよく頭の中に入れておきましょう。

 例えば、東京都内の地下鉄を初めて乗ることになったとします。JR線を利用したことがある人なら、都内の地下鉄に乗るときにもとまどうことはないでしょう(目的地に行くにはどっちの電車に乗るか、などは除いて)。とりあえず切符を買って改札を出て、ホームに出て電車を待てば良い。目的地についたら改札をでればいい。JR線で学んだ知識と経験で他の鉄道も利用できます。

 しかし例えば、都内のある地下鉄1社だけが、乗車するときに切符は必要ない、目的駅で降りるためには車掌に合図しなければいけない、降りる駅で精算をする、というようなシステムを持ち込んだらどうなるでしょうか。大半の人がとまどうでしょうし、乗り方がわからなければ、わずらわしい手続きを経るよりも、JRや他の地下鉄と同じ乗車/降車ができる別の鉄道会社を使うことでしょう。特に都内では別にある1鉄道を使わなくても目的地にたどり着けるのですから、きっとその特異のシステムを採用した鉄道会社は多くの利用者を失うことになります。

 この、「かごをとる」というプロセスはおそらく、リアル店舗(実際のお店)で買い物をするときに入り口でかごをとる、という発想から来たのかもしれませんが、このケースの場合、リアル世界とあわせたためにかえってわずらわしくなっています。ショッピングカートシステム自体は一般に使われているのですからかごに関してまでメタファーを利用する必要などありません。

■ 商品の見方

 次に商品に関して。今回この評価のために私が購入したのは、化粧箱に入った6本入りの商品でした。というか、そのはずでした。http://www.yokohama-beer.com/information/shopping.html にある商品紹介ページの1番上にある商品ですね。6本で210円は安い!ということで商品を購入することにしました。

 結論から言うと、この商品は「化粧箱だけ」で、別にビールを買わなければいけませんでした。つまり、私の間違いだったわけです。しかし、私は管理者よりそのことを教えてもらうまで気がつきませんでした。

 化粧箱だけであれば、商品写真を掲載しない、または掲載写真下に「ビールは別にご購入下さい」の注意書きをつけるべきでしょう。

 これを読んでいる方の中には「ビールが210円なわけないだろ、気づいてよ」という方もいるかもしれませんが、ネット上ですので210円で販売されていることが何らかの理由であっても良いかもしれません。(まぁ極端に安いですが) ※ 5/18現在は、「※6本詰めセットを化粧箱に入れてお送りするため、化粧箱のみの販売は致しません。ごいり用の際は、 ・・・」の注意書きがあるのですが 商品購入時の5/15であったかどうか・・・ちょっとよく覚えていませんが、 「210円は・・・」と自分で疑ったので注意書きは見落としていないはず・・・


■ お支払い方法

 代金引換と、銀行振込が用意されています。代金引換はわずらわしかったので、銀行振込にすることにしました。深夜に注文したのですが、インターネットバンキングで振り込んでしまうことにしました。

 銀行振込先の案内メールが届いたのですが、振込先名義が漢字でしか書かれていません。しかし、インターネットバンキングを利用したことのある方ならご存じかと思いますが、インターネットバンキングで振込をする際は、振込先名義をカタカナで、一字も間違いなく入力しなくてはいけません。 実店舗のATMであれば振込先口座番号が正しければ問題ないのですが、インターネットバンキングでは名義が正しくないとだめなのです。

 最近はジャパンネットバンクなどインターネット専門の銀行も出てきています。インターネットバンキングであれば振込手数料も安く、また24時間いつでも好きなときに振込ができます。これからますます利用者も増えていくでしょう。ECサイトを運営していくのであれば、お客はインターネット利用者。 インターネットバンキングの利用を想定して、振込先名義は漢字とともに カタカナも併記すると親切です。利用者からみても、細かいところに心配りが できているなと感じるものです。

■ 振込後〜商品到着

 これは速かったです。振込を朝行い、翌日の夜(※夜配達に指定)配達され、無事商品が届きました。


■ その他

 商品注文後に、自動で送信されてくるメールと、後にウェブサイト管理者から直接メールが届くなど、対応はとても親切な印象。また、先述したように私が間違えて化粧箱だけ注文してしまい、商品は化粧箱+ビールも届けられたのですが今回はそのまま飲んでもらって結構(ありがとうございます!<(_ _)> )など対応はとても良いです。それだけに、商品購入までのプロセスにちょっと難があるのがもったいないですね。

■ コメントに書いていただいた、「注文が少ない」ということについて。日本のビールの消費について、消費者行動の観点から考えてみましょう。日本ではビールは昼間飲むものではない、飲むときは大抵夜、飲み会。家に帰って飲むときでも購入先はコンビニ。家に買い置きするとしても、購入先はディスカウント店。普段飲むビールの購入先がインターネットというのはごく少数。また、ビールの味の違いにこだわることもあまりない。。

 となると、インターネットで普通に売るのはなかなか難しいわけです。マーケティング戦略担当者の知恵の出しどころですが、とりあえず贈り物などで送る商品の選択肢としてもらう、また、地ビールばかりを集めたショッピングモールの中に出店する、あるいは地ビール関連のリンク集に掲載してもらう、などの戦略をとればとりあえず潜在顧客のアクセスを誘導することができるのではないでしょうか。

 別にウェブサイトのデザイン自体に問題があるわけではないです。アクセスの誘導の仕方の問題でしょう。

※ この評価はメールマガジン配信数日前に行っています。このメールマガジンが配信された時には指摘した個所が修正されている場合があります

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